ARTICLE
記事
記事
ロゴマークのデザイン制作は、いつだって難しい。
ブランドの「らしさ」の本質を形にした、会社の旗印のようなもの。社員が胸につける家紋のようでもあります。だから、簡単には変えられない。名刺やホームページ、看板にまで広がって、人の記憶に少しずつ溶けていく。中には、ほんのわずかに形を変えながら時代に合わせて呼吸しているロゴもあります。
見た目はすごく小さいのに、考えることは山ほどある。
「この会社を表す形とは」「記憶に残るギミックとは」「フォントの意味とは」など、考えて、考えて、最後は思いきって削る。
入れすぎると崩れてしまうから、余白を残す。シンプルな中に、ほんの少しだけならではの要素がのぞくくらいがちょうどいい。説明しすぎず、でも伝わる。それが私の理想です。
「ロゴ(logo)」の語源は、ギリシャ語の“ロゴス(logos)=言葉”。
そう思うと、ロゴは企業の言葉そのものなのかもしれません。
いいロゴは、見ただけで雄弁に何かを語りかけてくる、その小さな形の中で。
そこには人の想いも、企業の哲学も、作り手の気配もある。
そして、それが伝わったときに初めて、ただのマークじゃなく、「心に残るロゴマーク」になるんだと思います。
代表の方や担当の方と何度も話をして、「人柄」や「会社のこれから」を聞きながら、どう見せるかを探っていき、一つの会社のストーリーにたどり着く。そのプロセスで、「実はこんな思いもあってね」と話し合う時間が、だんだん愛着や決意に変わっていく。
難しい・・・けど「やっぱりこの仕事は面白い。」
そう思えるのは、きっとロゴの中に、人の“温度”がちゃんとあるからなんでしょうね。
MINAMI ISHIKAWA
AI TAKASHIMA