ARTICLE
記事
記事
ほくつう様のブランディングに携わってから、今でも長くお付き合いが続いている。このプロジェクトではタグライン、Vision、Mission、Valueなど開発された言葉をもとに、新たにキャラクターを開発。
その名は「ホスモ」
社内グッズやポスター、リクルート、ラッピングバス、CMまで展開され、その広がりを見ると、ひとつのキャラクターが会社と社会の“入り口”になっていく面白さを実感した。
大阪万博のキャラクターもそうだ。
ロゴからキャラクターが派生し、デザインが決まった当初は「どのような展開になるのかな」と感じていたが、いざ会場へ行くと、巨大な壁画となり、さまざまなアーティストとコラボ展開し、時にはサインとなり、子どもたちが写真を撮りたくて並んでいる“顔”となる存在になっていた。
その姿を見て、ホスモにも「愛されるキャラクター」になってほしいと思った。キャラクターは人を巻き込み、年齢に関係なく興味を持ってもらえる強力なコミュニケーションツールになる。CMでホスモが踊る姿を見て、幼い娘が真似して踊り始めたとき、まさにその世界観が広がっていくのを強く感じた。
言葉を理念として“流通させる”には、媒介が必要だ。
思いを背負ったキャラクターが間に入ると、言葉がほんの少し身近になる。
ホスモは、社外に対してだけでなく社内に対しても、その役割を引き受けてくれた。
言葉は、ただ掲げるだけでは浸透しない。
どう理解が深まり、腹落ちし、意識や行動につながっていくか。その流れを丁寧にデザインする必要がある。理念は言語化を繰り返すことで、ゆっくりと会社の土となる部分に染み込んでいく。
キャラクターは、コミュニケーションをデザインする。
単なるマスコットではなく、理念を文化へと変換し、人を巻き込み、会社の思考をそっと広げていく大きな存在になると信じている。
MINAMI ISHIKAWA
