ARTICLE

記事

column

心動かすパッケージデザイン

#36

旅先で、スーパーで、棚の前に立ったほんの一瞬。その場で手に取るか、通り過ぎるかが決まってしまうパッケージデザイン。

目を引くことも必要だし、分かりやすさも担保しないといけない、両方のバランスがとても重要。そしてここが一番難しい。

無数のライバルと並び、その中でいかにアピール出来るか。

以前、クライアントの新規事業として、お茶の商品ブランディングプロジェクトに携わったことがある。バックボーンをヒアリングした上で、打ち合わせを重ね少しずつブランドイメージを構築し、ロゴ、パッケージ、Webサイト、イベントブースなど様々なデザインへ落とし込んでいった。

その中でもパッケージデザインはブランドを語る「最初の接点」であり、ほんの数秒の判断でその部分に「共感」し、手に取ってもらえるのかを決めるものでもある。ユーザーに寄り添うための「共感」を生むにはストーリーテリングが重要である。「背景」や「想い」を語ることで、購入者が感情的に商品へとつながるきっかけを作ってくれる大切なもの。

だからこそ、どのような商品をつくりたいか、が大切だ。

どこで、誰に、どのようなシーンで使ってもらいたいのか。展開が国内なのか海外なのか。そこまで含めて具体的なイメージを描き切るには、売り手側にも相当な思考量と熱量がいる。

そしてデザイナーは、与えられたお題に対してどれだけアイデアを広げ、商品をより魅力的に見せれるかどうかを委ねられる。

その思考は机の上だけでは生まれない。お客さんと直接話すことが、すごく重要。打ち合わせの中で繰り広げられるちょっとした言葉の端々やその場の空気感からしか汲み取れない情報がそこには沢山詰まっている。オンラインでも構わない。ただ、同じ時間を共有し、「想い」を汲み取ることが大切だ。

こうして時間をかけて熟成させたものをアウトプットさせ、カタチとなり、それが今日もどこかで誰かの一日を彩っている。

なんて素晴らしいことなんだろう。

慌しい日々の中でも記憶に残る「心動かす」デザインを目指し、今日も向き合う。

MINAMI ISHIKAWA